1994年 高橋宏幸 訳 国文社 叢書アレクサンドリア図書館
本書は古代ローマの詩人オウディウスによる『祭暦』全6巻の全訳です。
プーブリウス・オウィディウス・ナーソーは帝政ローマ時代初期を代表する詩人の一人で、アウグストゥス帝治下平和と繁栄のローマを背景に豊かな詩作を行いました。エレゲイア形式で詠まれた『愛の歌』や『愛の技法』などの恋愛詩集や15巻12000行に及ぶ大作叙事詩『変身物語』などをのこしました。当時のローマでも大人気であったが、アウグストゥス帝の命により追放され生涯を閉じました。そのときに遺した「一つの詩歌と一つの過誤に帰す」という不可思議な言葉は今でも学者たちを議論の渦へ導いています。
高橋宏幸による訳はヘクサメーター(六韻律)にペンタメーター(五韻律)の一行を加えた詩形であるエレゲイア形式の軽妙な文体を考慮して平明な散文訳となっております。追放が原因で未完に終わったと考えられている『祭暦』を紐解く座右の1冊です。
