「アルバム ジャコメッティ」のご紹介
入荷いたしました書籍の中からみすず書房の「アルバム ジャコメッティ」のご紹介。
矢内原が初めてジャコメッティを訪ねたのは1955年11月の中頃だった。
翌年の1956年の冬から夏にかけて数度ジャコメッティを訪ね、10月から12月中旬までの二ヶ月半の間は休みなくアトリエに通ってポーズを続けた。ジャコメッティが私の顔を描く仕事に熱中し、空間という霧の薄明に見え隠れするヴィジョンを追求するすさまじい格闘を続けてやまなかったからだ。
1957年、1959~1961年のそれぞれの夏に矢内原はジャコメッティの招きに応じて渡仏し、その都度一ヶ月半の間休みなくポーズを続けた。ジャコメッティは描き続け、油絵だけではなく、1960,61年には胸像をも試みた。
本書は1955年から1961年にわたる期間に随時撮影したたくさんの写真の中か選んだものである。
これは伝記でもなく作品研究の資料でもない。ジャコメッティとともに過ごした日々の記録であり、矢内原がジャコメッティによせる親愛の記念である。
アルバム ジャコメッティ
撮影・テクスト 矢内原伊作
みすず書房