今関天彭 揖斐高 編 2015年 平凡社
今関天彭(1882-1970)は漢詩人、中国研究家です。漢学者琴美を祖父に持ち、父富徳も漢学を修めるという環境に生まれ、石川鴻斎や森槐南に師事しました。
『国民新聞』や『国民雑誌』の記者を勤め、朝鮮総督府の命で朝鮮半島へ赴任したことを契機に中国問題への関心を深め中国に今関中国文化研究所を設立するに至りました。
引き揚げ後は漢詩雑誌『雅友』を創刊し、内外問わず漢詩の研究や紹介へ従事しました。『近代支那の学芸』『法帖叢話』『駿遠之詩界』などの著作や『支那戯曲物語』『宋詩選』など翻訳も多くのこしました。
本書『江戸詩人評伝集』は雑誌『雅友』に連載した評伝を集成したもので、江戸時代から明治時代までの代表的な詩人たちの生涯・人物・作品を丹念にたどり、漢詩の実態へ迫った1冊です。引用されている詩へは編者による訓読が施されたいへん読みやすいです。
詩人列伝を通して漢詩隆盛時代を想うのも一興です。
