『西脇順三郎コレクション』(慶應義塾大学出版会)を入荷しました。
2007年 新倉俊一 編 慶應義塾大学出版会
西脇順三郎(1984-1982)は日本の詩人・英文学者です。イギリス留学で英文学を学びモダニズム文芸の洗礼を受けて帰国します。春山行夫の『詩と詩論』にその活躍の場を求め、また『Ambarvalia』で注目を集め、当時の新詩運動の中心的な人物となります。戦後は『旅人かへらず』『近代の寓話』『第三の神話』と発表し、東洋と西洋の詩情による融和をもとめ人間存在の無常や哀愁を引き受けていきます。その後も絶対無や永遠などを志向しながら『失われた時』『礼記』『人類』など詩集をつくりました。また『超現実主義詩論』や『ヨーロッパ文学』など詩論集、文学評論なども数多く出版されいまなお大きな影響を持ち続けています。
筑摩書房版の全集では全13冊とその全貌は巨大なものがありますが、本コレクションは全6冊で西脇順三郎の主要作品・著作が一望できる画期的な集成となっております。エリオットやマラルメなどの翻訳詩集や自らの文学歴や絵画歴などを綴った随筆まで読者を退屈させない内容です。