『大菩薩峠[都新聞版]』(論創社)を入荷しました!!
2014年 中里介山 作 井川洗厓 挿絵 伊東祐吏 校訂 論創社
『大菩薩峠』は中里介山によって1913年から41年にかけて『都新聞』『毎日新聞』『読売新聞』などに連載された41巻にのぼる一大巨編です。幕末を舞台にして、虚無に憑かれた剣士を主人公に大菩薩峠からはじまる旅の遍歴と人々の生きざまを描きました。世界最長の時代小説を目指し30年ほどの連載に及び書かれましたが、中里の死により未完に終わっています。
同時代では菊池寛や谷崎潤一郎、泉鏡花、芥川龍之介らに称賛を受けています。また大衆文学研究者中谷博によって大衆文学の母胎と位置付けられています。戦後にも安岡正太郎など多くの研究や評論が書かれ、渡辺邦男や内田夢吐などによる映画化やテレビドラマ化・漫画化・舞台化が行われました。
本書は大正時代『都新聞』(現東京新聞)上に連載されたものを新字・新仮名・総ルビ・挿絵付きで復刻したものです。近代文学史上に山のように立つ巨作へ踏み出す頼もしい一書です。