~『山之口獏全集』(思潮社)を入荷しました~
1975年 思潮社
山之口獏は日本の詩人です。大正11年に上京し、詩作に専念し、佐藤春夫の知遇を得ます。十代の後半から長らく続いた就職、離職、失業と放浪状態は詩心の足場を形成しました。『歴程』同人に加わると金子光晴と親交を結び、昭和13年『思弁の苑』、15年に『山之口獏詩集』を刊行します。また33年の『定本山之口獏詩集』では高村幸太郎賞を受賞しました。39年には『鮪に鰯』が刊行されましたが、それは彼の死後のことでした。
庶民の生活感情やユーモア、諷刺などの詩的精神により形作られた山之口獏の詩はわたしたちのあらゆる生活の場面で気が付きや笑い、憂鬱などをあたえてくれるでしょう。
本書は全4巻構成で全詩集・全小説・全随筆・全評論を網羅しています。鮎川信夫や山本太郎らの解説付きでさらに山之口獏の作品へ接近できそうです。