在庫書籍紹介:和蘭薬鏡(全)

「和蘭薬鏡(全)」

宇田川榛斎著 科学書院 1988年

 

江戸時代より医学に従事していた、宇田川家。優秀な医師を養子とすることで、随一の医学一族として多くの功績を残しています。

漢方医として長年、津山藩に仕える藩医を務めていた宇多川家ですが、杉田玄白と同じ時代を生きた宇多川玄随の代で、蘭学、つまり西洋医学へと転向しています。

杉田玄白をはじめ、優秀な医学者たちが研究・翻訳に励み、西洋の知識はどんどんと取り入れられてゆき、漢方では難のあった治療にも希望が見えてゆきます。

しかし西洋医学の治療には、薬の欠かせないもの。その時代まだまだ薬剤に関する資料が少なく、知識を得ることのできない医師たちは、思ったように治療ができないもどかしさを感じていました。

宇多川玄随はいち早く、薬・薬剤に関する研究に着手するものの、志半ばでこの世を去ってしまいます。

その遺志を継いだのが、玄随の養子となった玄真です。

博物学や薬学の本など20数冊を翻訳することから始まり、西洋の薬と、元来用いていた日本や中国にある薬と照合。蘭学の知識を取り入れつつ、日本の地で日本人に合うように研究しました。

その内容をまとめた稿本は数十冊にもなり、さらに玄真の養子となった榕菴が校訂を加え、文政3(1820)年、初めて本格的に西洋の薬物を紹介した「和蘭薬鏡」が、全3冊として刊行されました。

今回在庫としてご紹介するのは、現代になってからそれを1冊にまとめたもの。

貴重な資料として使いやすい合本です。研究のお供に是非。

 

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