眼は聴く

眼は聴く

『眼は聴く』ポール・クローデル/著 山崎庸一郎/訳 1995年 みすず書房

 詩人・戯曲家であり、また外交官でもあったポール・クローデルによる芸術関係のテキストをまとめた書である。

 タイトル『眼は聴く』は絵画、彫刻、ステンドグラス、陶器、ガラス器、宝飾品など、あらゆる批評対象におけるテキストのすべて通底する彼の美術批評の基本的態度を端的に言いあらわしている。たとえば本書の冒頭に据えられ、彼の美術批評家としての門出を飾った「オランダ絵画序説」において、彼はウィレム・ファン・デ・フェルデによる『砲撃』に関して「撃てというその合図」や「轟音」が伝播してくるようだとし、「われわれは眼で見るよりも耳で聴く絵画のひとつをまえにしている」と述べている。

 クローデルは詩人としての繊細な感覚と共に、作品中の土地・人々・生活の細部を自分の体験をもとに想像力豊かに聴いていく。

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