~竹本宏夫『田植歌研究の展開』(おうふう)を入荷いたしました~
平成11年 竹本宏夫 おうふう
曲節に支えられた口承文芸である田植歌は農村の田圃や寺社の境内で農事に関わる人々や寺社の関係者らによって伝承されてきました。日本各地で発達した文芸であり、作品数は膨大であるためその全容は不明です。また口承という性質から作者や発生時期などもわからないものです。そうした状況もあり田植歌の研究分野は未開拓なところが多くあるといいます。本書は基礎的な研究を抜け出てそうした未開拓のところへ進んでゆく一冊です。そしてその探求の基盤には口承のような「文芸はどのようにしてその文芸性に迫って行くか」という普遍的な問いが秘められています。
目次
第1章 古記録等にみえる田植歌及びその周辺事項(中世及び近世初頭の田植歌並びにその関連資料をめぐって―提示と私見;防長の田植歌及びその関連事項について―『防長風土注進案』より;肥後国阿蘇宮御田植祭礼田歌について・補遺―『阿蘇文書』より)
第2章 田植歌の歌詞考(伊勢国『御田之歌』・『大御田祭之歌』の歌詞及び詞章;長門国「俵山村」の歌詞;安芸国『田植草紙』の歌詞 ほか)
第3章 田植歌本の翻刻とその周辺事項(備後国神石の田植歌について―その概要と歌本の翻刻;備後国三次の田植歌について―その周辺地帯と歌本の翻刻)






