鶴成久章『王陽明とその時代 中国近世の科挙文化と読書人』(研文出版)を入荷いたしました。
2025年 鶴成久章 研文出版
本書は著者の『明代儒教思想の研究——陽明学・科挙・書院』第1部「明代の科挙制度と陽明学」に基づき、陽明学の創始者である思想家王守仁の生涯をたどりながら中国近世(明代)の読書人と科挙文化を考察してゆく内容となっています。専門書の内容を一般のひとびとへも届くように企画されたこともあり、図版も多く非常に読みやすい書物です。中国近世の読書人の人生にとって不可避であった科挙文化の知識を手に入れるには絶好の書物と言えるでしょう。
はじめに
序 章―朱子学全盛の時代
第一章 王陽明の少年時代―父の状元及第と受験勉強
第二章 王陽明の郷試受験―挙子時代
第三章 王陽明の会試受験―二度の下第
第四章 王陽明の進士及第―官僚生活の始まり
第五章 山東郷試主考官から龍場配流まで—朱子学批判と「知行合一」説の提唱
第六章 王陽明が体験した試験官業務の詳細—正徳六年会試同考官
第七章 王陽明の朱子学批判ー南京講学時代から「致良知」説の確立まで
第八章 王陽明思想への弾圧—科場における陽明学批判
第九章 王陽明逝去後の門人たちの活動—陽明学と科挙
終 章―科挙制度における理想と現実
写真・図版典拠/あとがき







