鈴木正三『キリストの現実に生きて ナチズムと戦い抜いたボンヘッファー神学の全体像』(新教出版)を入荷いたしました。
2006年 鈴木正三 新教出版社
ディートリヒ・ボンヘッファーはドイツの牧師、神学者です。学位論文で書かれた「聖徒との交わり」では教会論で鋭い洞察力を発揮し、その才能を示しました。アメリカに渡ってからはR・二ーバーらのもとで学び、ドイツ帰国後ワイマール大成末期、ベルリン大学で講師を務めました。ナチズムが台頭するなかヒトラーが絶対権力を握ることへいち早くその悪魔的な性格を見抜き、世界教会運動の活動もあいまってナチ政権の教会干渉へ対抗する抵抗運動を行いました。ナチの秘密警察ゲシュタポにより逮捕され、2年間の投獄の後、刑死しました。
本書は激動の時代とその生涯のなかでいくども変化してきたボンヘッファーの神学の全体像と核心を究明しようとするものです。時代のもっとも困難な問題に突き当たり、その難題にどのように神学が応えることができるか、それは日本においてもかわらないと云います。大戦期の過酷な神学の格闘のみならず、現在においても同様に考え、応えてゆかねばならないものが本書を通して見えてくるかもしれません。